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上げ底セブンイレブン弁当、炎上収まらず

経済

3大コンビニでセブンイレブンだけが苦戦しているというニュースが流れてから、SNSなどでセブンイレブンの弁当が上げ底だと批判されているようです。

ネット上で指摘される弁当の“上げ底”問題

コンビニ弁当が「上げ底」されている理由には、以下のような背景があります。

  1. 見た目のボリューム感:容器の底を上げることで、弁当が実際よりも大きく、ボリューム感のある見た目になります。消費者が視覚的に満足できるよう工夫されており、空間を使って商品の量が多いように見せています。
  2. コスト管理:コスト削減が理由のひとつです。食材価格や人件費が上昇する中で、内容量を調整しながら価格帯を維持するため、見た目を保つ工夫が求められます。
  3. 品質と安全の確保:おかずやご飯を安定した形で配置するため、底上げ構造が役立つ場合もあります。特に揚げ物やデリケートな具材をしっかり固定することで、見た目や衛生面を保ちやすくなるといわれます。

これらの工夫は消費者に価値を提供しつつ、価格と品質のバランスを取るための施策とされていますが、結果として一部の消費者からは批判も集まっている状況です。

弁当の製造コストが上がっているのに値上げできない訳

商品の製造コストが上昇している中でも値上げが難しい理由には、以下のような要因があります。

  1. 消費者の購買意欲低下への懸念:特に日本では、消費者の価格に対する敏感さが高く、明確な値上げをすると売上が減少する可能性があります。そのため、企業は消費者の反応を考慮し、できる限り値上げを避け、代わりに量や品質を減らす「ステルス値上げ」を選ぶケースが増えています。
  2. 競争の激化:同業他社との激しい競争が続く中、価格を上げると市場での競争力が弱まるリスクが生じます。特にコンビニや日用品のような頻繁に購入される商品では、わずかな価格変動が消費者の選択に大きな影響を与えやすいため、企業は価格維持に努めます。
  3. ブランドイメージと信頼維持:特に食品業界などでは、「適正価格」というイメージが重視されており、急激な値上げはブランドへの信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。企業はこれを避けるため、コスト上昇分を内部で吸収したり、量を調整する方法でバランスを保とうとしています。
  4. インフレ懸念と家計負担:消費者の多くがインフレによる家計負担を実感しており、特に食品や日用品の値上げは家計に大きな影響を与えます。このため企業側も値上げには慎重で、消費者の負担感を和らげるために、ステルス値上げを活用しています。

企業はこれらの背景から価格据え置きを維持しつつ、別の方法でコスト上昇を吸収しようとしていますが、消費者からの不満も少なからず生じている状況です。

コンビニ弁当の製造原価内訳は

コンビニ弁当の製造原価は、一般的に以下のような項目に分かれます。

  1. 食材費:弁当の原価の約30~40%を占めると言われています。食材の価格は時期や種類によって変動しますが、魚や肉、野菜などの主要な食材が大きなコスト要因となります。また、品質を維持するための仕入れ先との契約が必要で、コスト削減が難しい部分でもあります。
  2. 製造・加工費:工場での製造や加工の工程にかかる人件費や、弁当の仕分け・盛り付け作業にかかるコストです。製造設備の保守管理やエネルギーコストも含まれ、製造原価の約20~25%を占めるとされています。
  3. パッケージ・容器費:弁当容器や包装材も重要な要素で、約10~15%程度のコストがかかるとされています。プラスチックや紙製の容器は量産によってコストが抑えられますが、環境配慮のための素材選択が進む中で、パッケージコストも上昇傾向にあります。
  4. 物流費:製造拠点から各店舗への配送コストで、約10%程度を占めます。配送にかかる燃料費や人件費も影響を受けるため、コスト管理が難しく、特に燃料費の高騰が物流コストに反映されやすい部分です。
  5. その他(販管費など):これには店舗運営や広告費、マージンなども含まれ、総原価の15~20%が該当するとされています。これには店舗での廃棄ロスのコストも含まれており、売れ残りなどが出る場合、コスト負担が大きくなります。

コンビニ弁当の販売価格に対して、これらの要素が製造原価として影響しており、最終的な利益率は10~15%ほどとされています。

コンビニ店を選ぶ理由

消費者がコンビニを選ぶ理由には、以下の要素が多く挙げられます。

  1. アクセスの良さ:コンビニは住宅街やオフィス街、駅の近くなど至るところにあり、24時間営業で利用しやすいため、手軽に立ち寄れる利便性が大きな魅力です。特に都市部では、近隣に複数の店舗があるため、急な買い物にも対応できる点が支持されています。
  2. 豊富な商品ラインナップ:飲み物、食品、日用品のほか、弁当やお惣菜、デザートなどが充実しています。また、季節ごとの新商品や他社とのコラボ商品など、定期的に商品が入れ替わるため、選ぶ楽しさも一因です。
  3. 高品質な商品:コンビニの弁当やスイーツは年々品質が向上しており、スーパーや専門店に近い品質の商品を手軽に購入できる点も重要です。また、健康志向のメニューや地域限定商品が多く展開され、幅広いニーズに応えています。
  4. サービスの充実:公共料金の支払いや宅配便の受付、チケット購入、ATM、コピー機など、単なる買い物以外のサービスも提供しており、生活に必要な多様なニーズをワンストップで満たせます。
  5. スピード感と効率:セルフレジやキャッシュレス決済の導入も進み、短時間でスムーズに買い物ができる点が魅力です。忙しい日常の中で、手軽に買い物を済ませられる点が多くの人に支持されています。

こうした点から、日常の利便性を追求する消費者にとって、コンビニは欠かせない存在となっています。

セブンイレブンは「上げ底弁当」批判でやや失った信頼を取り戻すことができるのでしょうか。また、そのためにはどういった商品戦略が必要なのか、今後注意してみていきたいと思います。

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